クレーム対応だけはずっと人間の仕事だと思う。


いろんな業種のいろんなクレームを対応するという特殊な仕事上、ストレスを溜めないようにすることが毎日の一つのミッションであるような気がする。
特に仕事にやりがいなんてものはないし、淡々と毎日クレームをやつけていく。
時に理詰めで、時に情に訴えて一つ一つつぶしていく。別に仕事にやりがいなんてないが、毎日消耗しながら、あの手この手でとにかくやつけていくのは案外楽しい。誰の役にたっているかと聞かれれば、サービスを提供する企業様の役にはたっているのかもしれない。企業側がクレーム対応にに余計な時間を割かなくて済むから。

そして、この仕事、基本的に商品を購入した側がクレームを入れることはあるが、わざわざ感謝の連絡をしてくること事態は極めて稀。本当に1000本に1本くらいだ。

そんな中で今一つの会社だけ、商品を利用したエンドユーザーの方から、やたらお礼の連絡を頂いている。
企業名は出せないが、とにかく感謝のご連絡が異常に多い。ほぼ奇跡。それも商品に関する感謝のお礼ではなくて、アフターケアに関してだ。

まず、前提としてクレーム対応って基本こんな感じです。↓

実は不良品の修理・交換・返品においては、大きなクレームに発展することは少なく、スムーズに終わることが多い。理由はどっちが悪い(責任を負う)のかがはっきりしている為です。

やっかいなのは、企業側・商品に非がないのにお客様の交換や返品を要望してくる場合。強要でななくて、あくまで軽く希望してくる場合。

このパターンの場合、通常の企業は、「断固お断り」といういわゆるマニュアル通り対応をとる。

当たり前だと思う。

一度クレームを受けてしまうと、なんでもまかり通ってしまい、結果企業側が損することになってしまう。

そして、このパターンが一番やっかいで、こじらせることが多い。
お客様が感情的に納得がいかない場合、「理屈じゃわかっていても心が納得しないのよ」状態に陥ってしまうと、もう大変。何を言っても、全く論理的な回答は返ってこないし、ただただ感情論で話を引き伸ばし、責任者を出せとせがむ。

もう大変。ひどい場合は、丸一日付き合う羽目になる。もっとひどい場合は1週間以上引きずることもあります。

もう大変ですよ。

ここまでで前提終わり

そして、アフターケアがとてもお上手な会社(A社)の話に戻るのですが、とにかく自分の会社がどれだけ損しようが、お客さんがつきつけてきた要望をほぼ全て承るスタンスをとる。

例えば、大げさに言うとこんな感じ。

「昨日買った納豆なんだけどネバネバが強かったから返品したいんです。え?全部食べたよ。
レシート捨てちゃったけど、まぁおいしいかったよ。」

「かしこまりました!ご返金させて頂きます!」

以上

ざっくり言うとこんな感じの対応を長年やっている。やばくないか?この対応。

これ一般的な普通の企業ならこうなります↓

「納豆がネバネバしてるのは普通です。ネバネバが強いってどういうことですか?
しかも全部食べてますよね?おいしかったんですよね?じゃあ問題ないですよね?
そもそも、レシート無いんですよね?どうやって購入したことを証明するんですか?
一体なんなんですか?バカなんですか?」

ちょっと私情が出てしまいましたが、普通はこんな感じでお断りです。

でも、このA社は、このくらいの要望は簡単に承ってしまうのです。クレーム対応に割かれる時間のコストを計算してとか、そういうビジネス的な感覚ではなく、あくまで顧客の事をを信じて対応するっていうスタンス。
レシートがなくても、店舗に電話して確認して購入履歴を調べて、同日に売られていた他の商品を検品し不具合が無かったか調べる。もし不具合がなかったとしても、お詫びし要望に応じる。

また、一通のクレームメールに対しても、徹底的に調べあげた圧倒的な情報量で返信することで、まずお客様を感動させる。次に自分達に非がなかったとしても、謝罪を上、要望を承る。

しかもメールの返信にしても、誤字脱字はすごいし、文章もめちゃくちゃなんだけど、ものすごい人間味のある必死さが伝わってくる内容になっている。

そして最終的に丸く収まり、後日感謝のメールが届くという流れ。対応してくれたというよりも自分の要望に時間を割いてくれたところに感動しているのです。

ロボットには出来ない、人間らしさに人は感動する時代が来ている気がなんとなくします。
性善説を前提とする世の中の方が生きやすいのかも。

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