一型糖尿病 入院の記録 前半

2011年の震災の年、一型糖尿病と診断され、入院することになった。
その時の記録を残しておくことは、今後同じように入院される方の為なるのかと思った。こんな日記が誰かの役にたてば幸いです。

発症~入院まで

当時29歳。会社員として、9時から18時まで普通に働いていた。

今まで健康診断等でひっかかったこともなく、太っていたわけでもない。逆にめちゃくちゃ痩せているタイプだ。体の状態はいたって健康だ。

と思っていた。

入院する一か月ほど前からか、少しずつ体の様子がおかしくなっていた。

朝起きた時から異常に眠たい。休日もぐったり疲れている。
仕事中全くやる気が起きない。さらに仕事中に居眠りまでしてしまう。
お昼休憩時に寝ないと、最後まで体力が持たない。
夜中にやたらトイレに行きたくなる。
のどが異常に渇く。

こんな症状がずっと続いていた。

ある日、一度調べてもらおうと思い、近所の病院で血液検査を行ったところ、血糖値248、Ha1c 12.0という数字が出た。

病院の先生もあわてている。とにかく水をたくさん飲んでくださいと指導される。
すぐに大きい病院に移動して、検査入院の手続きをとることになった。

わかるだろうか。この時の気持ち。淡々と綴っているが、パニック状態だったのを覚えている。

会社に事情を話し、入院することを伝え、そこから入院の手続き手続きへ進む。

入院初日目

入院の手続きが済んだら、さっそく検査にはいった。
合併症が起きていないかの検査が最優先だった。

まずは眼底検査。
ここは、大丈夫だった。目は異常なし。
よかった。目は見えている。

次に血管の検査。
これは大丈夫だった。とくに詰まったりはしていないようだった。

次に糖耐性の検査。
ここがダメだった...もう末期だといわれた。この時初めて一型と二型糖尿病の違いについて説明してもらった。私が患ったのは一型糖尿病の方で、一発ノックアウトの末期症状の方だった。しかも回復の見込みはなく、一生付き合っていかなければならない病気だともこの段階で知らされた。

生まれて初めて、自分が不完全な人間になってしまったと思った。とてもつらかった。これからの人生どうなってしまうのかわからなかった。

検査が終わったら、次は入院生活を送る病室に案内された。
6人部屋で、全員がほぼ同じ糖尿病患者とのこと。

私は窓際の角のベッドだった。
斜め向かいのベッドにいる方は、一人は足の指がなかった。
左隣の方は、ほぼ目が見えないそうだ。

正直、とてつもない環境に来てしまったと思った。
そして、この病気の合併症の恐ろしさを目の当たりにし、不安でしょうがなかった。

絶望感いっぱいだが、どうしていいかわからない。とにかく治療するしかない。がどうしたらいいかもわからない。

この日の消灯時間は20時だったと思う。この日何をしていたのかはあまり覚えてはいない。

それぞれのベッドがカーテンで仕切られている為、若干のプライベートは保たれる。が、隣の人のいびきが凄すぎて、まったく眠れなかった。

入院2日目

朝6時に起床。
朝ご飯前に血糖値の検査があるとのこと。されるがままに耳たぶから血糖値検査をされる。初めての経験の為、戸惑う。

そして、この日からインスリン注射生活が始まる。
まずは1日4日看護師さんに注射される生活からスタートだ。

入院2日は、友達がたくさん遊びにきた。漫画やゲームを貸してくれた。暇だったからうれしいはずなのに、不安の方がまだ大きくて、ゲームなんてする気になれなかった。でも、漫画は読んでいた気がする。このあたりの記憶があまりないのは、なぜなんだろうか。

医師や看護師さんに病気の説明を少しずつ受ける。一型糖尿病がどういう病気で、何に気をつけなければならないのか。これからどういうことをしなければならないのか。とても詳しく教えてくれた。

病気の詳細について説明を受けているうちに病気の全容が見えてくる。怖さもあったが、知れてよかったと思う。

何も知らないことが一番怖かったんだと思う。だから不安になった。何も知らないから前を向けなかった。病気の事をを知ることが一番大切なことだと気が付いた。

少しだけ元気になっていった。気がする。

入院3日目

少しずつだが、病院生活にも慣れてきた。
同部屋の人とも少しずつ仲良くなって、病気のことなどをお互い話すようになった。

自分のベッドの斜め前の方は40代半ばの男性だった。
30代の頃に二型糖尿病を患い、それから治療をしていたが、 合併症で左足の指を切断していたんだそうだ。それで、仕事中にバランスを崩し、骨折してしまった為にこの病室で入院をしているとのことだった。現在生活保護を受けているという。

単なる骨折だけじゃこの部屋には入らないらしい。合併症があるからこの部屋にいる。糖尿病患者は重度・軽度問わず、同室に入れらる可能性は高いらしい。

この人から、合併症の怖さを延々と聞いた。本当に恐ろしい病気だ。が、とても明るく話すので、少し元気が出た。
いつも「腹減ったー」と言って病室を抜け出して、近くのウナギ屋に外食にいくような人だった。退院するまでずっと仲良かった。退院まで全く退屈しなかったのはこの人のおかげだ。

治療はというと、この日から自分でインスリン注射を打つ訓練が始まった。最初はおなかに注射針を刺すことに抵抗があった。これは切腹かと思った。

また、血糖値を測る訓練も同時に始まった。すぐに出来るようになったので、上手ですねって褒めてもらえた。看護師さんは全員優しかった。でも風呂にはまだ入らせてもらえなかった。血糖値が依然高いままだったからだ。

長くなりそうだから、次回につづく。

つづき 入院生活 後半のお話

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